【元北海道ナンバーのバス】2019年両毛線代行バスで活躍したJHB出身車

元北海道ナンバーのバス特集

2019年10月12日に上陸した台風19号は、関東地方の広範囲に甚大な被害をもたらした。
栃木県においても両毛線が被災し、佐野~栃木間は約一か月間に渡り不通となった。

10月20日から復旧前日の11月10日まで、当該区間にてバスによる代行輸送が実施された。
輸送にあたっては栃木県内の事業者の他、関東・関西からも複数事業者が参加したほか、JRバス各社からも、JRバス関東、中国JRバス、西日本JRバス、ジェイ・アール北海道バス、JRバス東北(北海道、東北は車両の提供)が集結し、日中約15分間隔で旅客輸送の維持に努めた。

ジェイ・アール北海道バス(JHB)からは4台が栃木へ渡ったが、諸事情により運行への投入は終盤にまでずれ込み、11月9日と10日のみ2台が使用された。
本記事で紹介している運行中の姿については、全て最終日の11月10日に撮影したものである。
(当日の他の代行バス車両については筆者ブログをご確認ください→リンク

524-7805 札幌200か2473→とちぎ200か・587(→札幌200か5370)
524-7806 札幌200か2474→とちぎ200か・588(→札幌200か5373)
534-8815 札幌200か2879→とちぎ200か・585(→札幌200か5371)
534-8816 札幌200か2912→とちぎ200か・586(→札幌200か5372)

車両の内訳は横浜市交通局出身車2台、神奈川中央交通出身車2台で、いずれもふそうエアロスターである。
運行はJRバス関東の乗務員が担当するため、車両をJRバス関東佐野支店へ一時的に貸し出す形となった。
そのため、登録がとちぎナンバーへ変更された。

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

2019年11月 ジェイアールバス関東佐野支店 撮影:MAPBUS

登録変更まで3台が栃木駅付近の駐車場に、1台がジェイアールバス関東佐野支店に留置された。
登録変更には時間がかかり、同じ車両貸し出しの形での運行となったJRバス東北のブルーリボンは期間中毎日運行されていたこともあり対照的であった。

534-8815 札幌200か2879→とちぎ200か・585

534-8815 とちぎ200か・585(ジェイアールバス関東佐野支店 1998年式 ふそうエアロスター/KC-MP717M)

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

534-8816 札幌200か2912→とちぎ200か・586

534-8816 とちぎ200か・586(ジェイアールバス関東佐野支店 1998年式 ふそうエアロスター/KC-MP717M)

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

 

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

栃木県道11号線をゆくとちぎ200か・585。
ルートは栃木駅北口~栃木バイパス(県道309号)~県道11号~大平下駅~県道67号~佐野駅南口であった。

2019年11月 栃木県佐野市 撮影:MAPBUS

佐野駅の乗降は駅前の通り沿いにある佐野市役所横で行われた。佐野駅を出発するとちぎ200か・585。
JHB車はいずれも除籍予定車両であったためかLEDの行先表示機は撤去された状態で栃木へ渡り、列車代行の表示は窓内側に紙を張って対応した。

2019年11月 栃木県栃木市 撮影:MAPBUS

移動中に岩船駅(佐野からの列車の折り返し地点、代行バスは当駅に寄らず通過)に立ち寄ると、不通区間への試運転列車がゆっくりと走り去っていった。復活を実感させる印象深い光景であった。

横浜市交通局出身車である524-7805、7806はこの代行輸送期間中に運行されることが無かったが、両毛線の全面運行再開初日となった11日朝には、小俣~桐生駅間での架線支障が発生し、桐生~足利間で運転を見合わせた。
復旧までの間当該区間はバスによる代行輸送が実施され、横浜市交通局出身車の投入が確認されている。

JHBの4台は代行輸送終了後も暫くJRバス関東白河支店管内の磐城棚倉の車庫に留まり、翌2020年2月頃に札幌へ返却され除籍となった。
返却に際してはJHBの所属に戻るため札幌の払い出し登録番号が4台に割り当てられたが、使用されていない。